VOL .36 [男の革トートは容量よく] 2010.10.22掲載

神無月もそろそろ終わりが近づき、毎朝起きる度に寒さが増してきたことを感じます。この時期になるとバックの中に朝夕の寒さ凌ぎとして、軽い巻物(ストール・マフラー等)を入れたり、薄手のコートを用意したりと、ちょっと大き目のバックが重宝するものです。

そこで今回のテーマは、VOL.7のセカンドバック以来、久しぶりに男のバックのお話をしたいと思います。

今回、バックについてのコラムを書くにあたって、巷で売られているメンズファッション雑誌にひと通り目を通したのですが、やはりメンズトートバッグが多くのブランドから新発売されている様です。今シーズンは、メンズトートが大ブレイクする予感がします。

実は私自身、かなり前からトートバックを持ち歩いていた一人でした。モデルという仕事柄、撮影に持っていく荷物(ヘアーメイク道具・撮影小道具等)が多いため、大きいバックを必要としていたのです。同業者の中でも、私ほど荷物が多いモデルはあまり聞いたことがありません(笑)。

写真上の革トートバックは、もともとレディース仕様に売られているものだったのですが、偶然にもGAPで見つけて即買いしたものなのです。昔からメンズ用のトートバックときたら、布製のアウトドア仕様のものしかなく、なかなかピッタリのものが見つかりませんでした。例のごとく、このバックにもハンドル部分を取り替えて長さ調節可能なカスタム仕様にして、自分オリジナルなものとしています。

私にとってトートバックの決め手は、革製であってマチ(鞄底の厚みの部分)の長さが生命線であり、マチが長いぶん容量を稼げ、バックを置いた時の安定感があるのです。このトートバックのマチの長さは、なんと22cmとこんな大容量のものはあまりありません。実は、もうひとつ同じ位の容量の黒革製トートを以前にも見つけ、洋服の雰囲気に合わせて持ち替えています。

スーツのビジネスマンには、あまりトートバックは似合いませんが、客先営業をしないビジネスマンや私服出勤のビジネスマンの中には、トートバックを持つ人が増えてきました。街でメンズトートを持つ男性を見かけると、今どきのメンズファッションは、少し女性っぽくなってきているのかな~と思います。

どうせトートを持つのなら、私は大容量の革トートをお薦めします。中途半端な大きさのトートバックを男性が持つと、女性っぽく見えてしまう難点があります。使い勝手の良さと見た目は、トートバックの容量が要なのです。また、男がビジネスでトートバックを持つことには賛否両論ありますが、これもひとつの流行と見ています。

私はトートバックを仕事用や車での小旅行用、買い物用にしか使いませんが、バックというものは財布と違って、いつも同じものを持ち歩くわけではありませんから、用途や気分で替えたりしています。皆さんも、もし自分の手持ちバックのラインナップにトートバックが入っていないのなら、ひとつ加えてもいいのではないでしょうか。

今年の安本イチ押しトートは、Felisi(フェリージ)のカーフ型押しクロコのトートバックをおススメします。写真で見る限り、安本テイストにぐっと刺さる一品でした!

私の中では、トートバックの王様と言ったら、やはりエルメスのオオタクロアでしょうか。以前、女性のセレブモデルさんとご一緒に仕事をした時、そのエルメス・オオタクロアをロケバスの床にドスンと置いて「こおいうものはね、こうやって使うのがいいのよね!」と豪快に言い放っていたのを思い出します。トートバックのカッコイイ使い方というのは、無造作に置いてモノを放り込んで使うのが粋なのかもしれませんね。


添付写真: 愛用の革トートバック。ハンドル部分をgentenのパーツに取り換えて使っています。

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Written by Yasumoto Takashi

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