VOL .58 [エイジレスの功利] 2011.05.03掲載

今回は、「エコ」「婚活」「アンチエイジング」「セレブ」「そうじ力」に続く第六弾といった、巷の雑誌記事やテレビでモテはやされている言葉をピックアップするシリーズ。テーマは「エイジレス」=年齢不詳を意味します。

この言葉は、若い世代にはあまり縁がなく、20~30代の若者に「あなたはエイジレスですね」と声をかけたら、大概の人はムッとして「それってどういうこと?」となるやもしれません。「あなた若いのに、若く見えないですね」と取られかねません。しかし、40代から上の方が言われたら、ちょっと嬉しくなります。人は年を取るにつれて図々しくなり、自分の都合のいい事にしか受け取りません。面白い現象です。

「エイジレス」の意味合いは、「アンチエイジング」という言葉にも似ており、混同する方もいるかと思いますが、「日本的な玉虫色の誉め言葉」と私は捉えています。

今回は「エイジレス」本来の意味を注釈することは控えさせてもらい、若返りブームとなった社会現象を鑑み、既に始まっている日本の長寿時代を見据えながらも、第二の人生とも言える勇退後の方向性を探ってみたいと思います。

そもそも、[エイジレス]=「年齢不詳」だなんて、年齢詐称ではありませんが、日本語の響きだと少し味気ありませんよね。良く言えば「年齢を感じさせない若々しさ」、悪く言えば「齢をとらない化け物」ですかね(笑)。

私は仕事柄か「安本さんは、昔からいつ見ても変わらないですね」とお褒めの言葉を頂くことがあります。内心は「変わっていかないとダメなんですがね」と実は思っているのです。たまに裏読みする悪い癖を直さないといけないと思っているのですが、相手の本心は「いつも変わらない雰囲気でいいですね」であると思うのです。裏読みをすると「いつまでも成長しない未熟者」と捉えてしまうのですね。それも齢のせいなのでしょうか(笑)。

ひと昔前では、年齢より若くみられることは恥ずかしいと親や社会から刷り込まれ、齢を積み重ねただけの威厳や風格を身に付けろと、どこの家庭でも教えられました。

高齢化が進みゆく現代社会に、若者の労働力不足の解消や高齢者医療費の増大緩和に一役買えば、エイジレスは紛れもなく「社会におけるステイタス」となり、定年を向かえても更に働き続け、社会に貢献する「健康で活き活きとした姿」は、まさに「Made by Japanese」(VOL.27)の世界です。ゆくゆくは全世界に壮年世代の日本人技術派遣の場が広がって行くのかもしれません。

日本人の平均寿命から逆算してみれば、定年後から残り10年~15年。もうひと花咲かす「勇気」と今までに培った経験を惜しみなく伝える「奉仕の精神」が、これからの日本の未来を変えていって欲しいものです。

世間では若く見られることが最優先のように思われ、若返りブームはまだまだ続きそうですが、エイジレスもアンチエイジングにも共通して言えることは、外見と内面の若々しさは同義であり、自らの体内細胞や意志で作られるものであります。目標を持って前向きに生きる人は、いつまでも若々しく素敵でいられますよね。

10年後は、もしかしたら、イケてる爺さん、略して「イケジー」という流行語も出てくるかもしれませんね(笑)。


添付写真:友人とCAFEで撮ったスナップ写真。

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Written by Yasumoto Takashi

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