今回は、コラム59回目にして初めてのスーツ関連のテーマにしてみました。
スーツは、大人の仕事着・勝負服と例えられますが、スーツ選びひとつで商談をまとめたり、第一印象を劇的にアップさせるという殺し文句でファッション雑誌によく書かれています。
モデルの仕事をしていると、スーツを撮影時には沢山着ますが、プライベートでスーツを着る機会は滅多にありませんので、あまりスーツに関しましては詳しくはないのです。しかし、上質のスーツを着ると、袖に腕を通した瞬間、「ん~これは良いスーツだ!」と感じるものなのです。良いスーツの生命線は「生地にあり」と思っています。
昔から「餅は餅屋」という諺があるように、スーツの事なら仕立て屋に聞けと自身感じております。スーツ職人の方は、毎日スーツとにらめっこしていますので、専門用語や流儀、蘊蓄といった知識と経験が蓄積され、それはそれは私なんぞ口を出せる立場ではございません。
それでは、今回は一体何を話そうかと正直悩みました。どこかのファッション雑誌のスーツ記事を換骨奪胎してコラムにしても面白くはないし、なにかモデル安本らしいものにしようと考えてみたのです。
そこで、モデルがモデル同業者を見て、年齢を問わず「この人はスーツが似合うなー」と思うポイントがいくつかありますから、そちらをご紹介することにします。これはスーツを着る人の体型的なことが中心になりますが、ある意味、ファッションデザイナーがSHOWのモデル選びに近い視点なのかもしれません。
【ポイント:1】 姿勢が良い人・・・ごく当たり前のことなのですが、基本中の基本です。現代人はパソコンに向かう時間が増え、姿勢が悪い人が増えてきました。私も気を付けるように注意しています。
【ポイント:2】 胸板(大胸筋)が厚い人・・・スーツを着た時、胸板が厚いとワイシャツやスーツに皺が入りにくくなります。既成スーツは、元々のパターンデザインに膨らみを持たせて設計されております。
【ポイント:3】 肩幅が広い人・・・肩幅が広いほど視覚的に顔が小さく見える「小顔効果」があります。(肩幅が広すぎても困りますが . . . )
【ポイント:4】 首が長い人・・・首が長いほどVゾーン(スーツ・シャツ・ネクタイの三点周り)の色彩が映えてスッキリとさせられ、ショルダーラインが綺麗に見える視覚効果も出てきます。
【ポイント:5】 O脚・X脚でない、足がまっすぐな人・・・単純にパンツラインに嫌な皺が入らなくて、スーツ全体のシルエットがスマートに整います。
自身の経験上、体型的にスーツを着こなせる人は、必然的にカジュアルスタイルも似合うというセオリーがあります。スーツ体型は洋服を似合わす普遍的ベーシックなのかもしれません。
今回のコラム構成にあたり、スーツの着こなしテクニックを下調べをしてみましたが、大概の雑誌やHOW TO本には、Vゾーンの攻略法的構成が中心のように見受けられました。それだけにスーツ・シャツ・ネクタイの色柄構成は、相手に与える印象が大きく左右するのかと痛感しています。
今回の番外編では、違った角度からのスーツ攻略法を模索することにしました。読者諸氏の中には「そんな事言っても、体型は先天的なものだろ!」と思った方もいるかもしれません。しかし、日頃のトレーニングや普段の心構えで改善できる余地は何かしらあるのではと思います。参考になれれば幸いです。
添付写真:雑誌のスーツ特集ページからの資料写真。
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