VOL .70 [服装術のセンス磨き] 2012.01.25掲載

今回はVOL.39「センス磨きのコツ」に続く第二弾です。テーマを洋服に絞っての「服装術のセンス磨き」と題しましてお話させてもらいます。

私は日頃から洋服を選ぶ時のチェック項目に①「価格」 ②「デザイン」 ③「素材」 ④「色」 ⑤シーン設定 ⑥自分のワードロープとの流用度の六要素を頭の中で意識し、購入判断をしています。優先順位はその時の懐具合、気分、テンション、自分のワードロープ状況など様々な要素で順位は入れ替わってきます。

①の価格とは、とても重要なことでありまして、気に入った商品がいくらデザイン・素材・色と三拍子揃っても、ない袖は振れません。指をくわえて眺めているしかありませんよね。ショップのラックハンガーや平置きされている洋服に一瞬で気に入り、買う気になっても価格を見た瞬間にガッカリすることってありませんか?

私はまず洋服を見る時は、ちょっといいなと思ったら、まず最初に「価格」を見てから商品のコストパフォーマンスを換算し、それからじっくり吟味しています。正札をすぐに見るのは恥ずかしい、カッコ悪いと思うかもしれませんが、お構いなしにまずは価格をチェックします。しかし、私は高価なものを否定する気持は全くありません。それが高価なものであればいつまでも使い続ける愛着心への防波堤効果にもなり、また反面、安価なものであったならば、そのものを処分し易くする後押し効果にもなります。価格にはそんな効力があることを認識しつつ、日頃から洋服を選んでいます。

⑤のシーン設定と⑥自分のワードロープとの流用度というのは、もしこの洋服を着るとしたら一体どんなシーンなのかという場面設定をありありとイメージできなければなりません。いつ誰と会い、どんな場所で着て、どの自分のワードロープアイテムに合わせることが出来るのかをきちんとイメージできることが大切だと思います。

ある撮影現場で、プロのスタイリストさんに「洋服を買うポイントは何ですか?」と質問したら、「自分のワードロープの中のものと5パターン以上組み合わせが作れないと買いません」と言っていました。それだけの流用性(定番性ともいう)とイメージできる能力がプロには必要なのだと感心しましたね。一つのアイテムを変幻自在に使い回せるということなのでしょうか。

ファッションに携わる仕事をしているプロフェッショナルとアマチュアの違いは、大まかに言ってしまうと「コーディネート術の引き出しの豊富さ」なのかもしれませんね。では、そのようなセンスを磨く為にはどうすればよいのでしょうか。

例えば、洋服の価格は度外視して、高いものと安いものをプライスミックスさせて色々なパターン(組み合わせ)にチャレンジしたり、自分の描くイメージ通りのコーディネートをして着てみる。要するに、洋服コーデは実際肌で感じなければ上達はしないのかと思います。「畳の上の水練」ではありませんが、実践に敵うものはないのかもしれません。

服装術にはある程度のバターンやセオリーを覚える必要はありますが、最低限のドレスコードを踏まえつつ、色の組み合わせや素材感を大いに楽しむ。素材の組み合わせや色使いに気を配れるようになったら本物なのかもしれません。私も服装術に関してはまだまだではありますが、自戒を込めて色の使い方にもっと注視するよう最近は心掛けております。 
 

添付写真:迷彩柄のダウンベストは今季ものです。コーデアイテムの中では一番の低価格商品です。プライスミックスによっては、それなりに見え、よく映えるのではないでしょうか。

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Written by Yasumoto Takashi

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