VOL.87 [ある本に思うこと] 2013.03.25掲載

【一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服】~Book Review~
 
今回のコラムは趣向を変えてブックレビューと致します。

先日、Facebookをきっかけにお知り合いになり、パーソナルスタイリストという仕事を日本に広めた政近準子さんから、ご丁寧にもサイン本が届きました。表三ページに書かれているサイン&メッセージには “装いはギフト!!” と、とても達筆な筆文字です。

まず最初に、本タイトルのインパクトがとても強烈です。ある人がこのタイトルを見て、「服装に勝ち負けもないよ!」と言ったのが印象的でした。僕がこのタイトルを読んだ時に思ったことは、「三流以下の男はどうしたらいいの?」と頭に浮かんできたのです。世の中には一流二流以外にも沢山のオシャレ難民さん(三流以下というのかな?)が存在しているということです。

日本人の向上心が高い男性は、「超一流」「一流」「格付け」「ランキング」といった響きにめっぽう弱い性質なので、そおいう意味でこのタイトルをキャッチとして考えられたのかな、とも推察されます。そんなこんなと命題を持ちつつ読み進めたのですが、どうやらこの本の内容は、HOW TO的な服装術マニュアル以外に、服装(特にスーツ)に一体何ができるのかを解説している、政近さん流の “果し状(挑戦状)” みたいなものなのかと感じました。

人は見た目がすべてではありませんが、服装・顔つき・体つき・言葉・動作などの見た目で大半の印象が決まってしまいます。しかし、その一部である「服装」によって、どれぐらい効果を生み出すことができるのか、服装でこんな損をすることがあるんですよという事例を持ち出しながら、著者は世の男性諸君へ強いメッセージを発しております。

ここで本文の中で僕が一番心に響いた言葉をご紹介。

『これからのビジネスマンに必要なのは、対人関係を良好にできる柔軟な「ソーシャル(社会的)スキル」です。一緒に仕事をしたい、逢いたい、あなただからこそ頼みたい、と思ってもらえる上に、それ以上の関係性を創り出せる人は、ソーシャルな人といえるでしょう。

自己表現しながらも独りよがりにならず、その場の雰囲気や逢う人たちに配慮したコーディネートができる人はソーシャルスキルが高く、一目置かれる存在となります。

このような装いができる人は、自分自身をよく知っています。それは、単に似合うモノを知っているということだけではなく、周囲がどんな期待を自分にしているか、どんなふうに振る舞うことが相手を喜ばせるのかを含め、客観的な自分の姿をわかっているということです。』
141ページより

この言葉は、まさしくビジネスや人生の根幹に関わるものであり、サービス精神を体現させてくれる素晴らしい言葉だと思います。

僕はこの境地に行きつき、習慣として実行している人こそが、先述した勝ち負けもなく、一流・二流もそれ以下とも格付けされない “あなたの存在自体がギフト(愛)” と呼ばれる人の条件と思っています。

装いと社会との関係性の探究、ひいては輝く人生とは、、、まだまだ学ぶことが沢山あると自分自身、あらためて思った次第です。

この本は、僕が標榜とする『見た目時代がやってくる』に共通する点が数多くあります。きっとあなたの人生磨きの一助となるかと思いますので、一度手に取ってご覧になってはいかがでしょうか。

政近さん、ありがとうございました。

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添付写真: 【一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服】かんき出版 著者:政近準子氏 

【次回予告】 テーマ:お洒落の本質を探ってみた!(VOL.88)

Written by Yasumoto Takashi

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