VOL.118 [笑顔という魔法] 2019.09.24掲載

smile magic2019年8月に開催された全英女子オープンゴルフ選手権では、弱冠二十歳の渋野日向子選手が、海外試合・海外メジャー初出場ながら堂々の優勝を果たした。その勢いは衰えることを知らず、さらに帰国後も彼女の快進撃は続いている。日本中がまるで彼女の“笑顔”という魔法にかけられてしまったようだ。
私もゴルフを嗜む者として、彼女のプレースタイルを見習いたい部分が随所にあり、シブコファンの一人でもあります。その最大の武器は「攻めの姿勢」「ポジティブ思考のゴルフ」なんでしょう。彼女は自分の打つ順番にきてからボールを打つまでが、めちゃ早い!ということは、どこにどう打てばいいのかという決断が早いということになります。これが簡単そうで、実際はなかなか出来ないものなんです。ボールを打つ距離は、すぐに計算できても風や傾斜の読みなど、色々な条件を瞬時に読み解かないといけないのです。
そして、今回のテーマである「笑顔」について深く掘り下げていこうと思います。笑顔は彼女の武器かと言えば、YES!です。プレー中は真剣な顔であるのは当然ながら、ナイスプレーをした後のあの屈託のない笑顔は、湧き上がる歓声を自身の励みに変えています。声援が彼女の背中を押す感覚なんでしょう。
また、失敗しても笑顔を持続させる姿勢には、周りに気づかれない「努力感」が隠されていると思われます。それは、彼女が幼少時から母親に教えられた「苦しい時も笑顔!」です。
元々、喜怒哀楽が激しかった性格で、ミスプレーをするとすぐにふてくされていたと言ってます。その感情のコントロール法に「笑顔であり続ける」というテクニックが身についたのだと推察されます。

では、プレー中の笑顔の効果をさらに具体的に分析すると、

1)緊張を和らげる弛緩効果
ゴルフというスポーツは、プレー自体はスイングしている時とパターをしている時であって、ずっと体を動かし続けるスポーツではありません。なのでプレーに集中する準備として体をリラックスさせてあげて、最大のパフォーマンスを引き出すことが重要です。いつも通りの実力を発揮させる環境づくりには、リラックス&集中を繰り返し、緊張を弛緩させてあげる作用として笑顔はとても有効なのです。

2)周りを巻き込む相乗効果
同伴者と仲良くおしゃべりしたり、「ナイスショット!」「ナイスプレー!」と褒め合うことは、相手を気持ち良くさせて好プレーを引き出します。相手がナイスプレーをすると、自分もそれに続けと一段とプレーに集中できます。
また、プロツアーとなるとプレヤーを取り囲み、ラウンドを同伴するギャラリー(観客)がいます。観客はお気に入りのプロのナイスプレーには、惜しみない拍手と声援を掛けてあげるので、プロも背中を押されて好調の波に乗りやすくなります。この作用がプレーヤーにとって心地良く、本来の実力以上のものを引き出す導火線にもなります。

3)エンターテイメントに不可欠な要素
最後に、スポーツとはあまり関係ないかもしれませんが、やはり笑顔がいい人は、多くの味方を作り、応援したくなる気持ちにさせてくれます。特にプロスポーツの世界では、マスコミ報道を味方につけることで、宣伝効果が拡張され、ヒーロー化させることで、ひとつのフィーバー現象を引き起こします。ヒーロー伝説には誰もが憧れを抱かせ、そうなりたいと多くの人に夢を与えてくれます。さらに、笑顔が多い人とあまり笑わない表情の乏しい人とでは、記事の扱われ方も歴然と違ってきます。厳しいエンターテイメントの世界では、実力も然ることながら、サービスマインドも必須アイテムのひとつなのですね。

さて、笑顔についてお話してきましたが、もしかしたら笑顔には人生を大きく左右する効果があるのかもしれません。一応、私もエンターテイメントの世界に生きる端くれとして、撮影現場やオーディション会場では、なるべく笑顔とまではいかなくても、自然体で居ようと心掛けています。
笑顔には、周りの空気を変え、暖かい雰囲気を作り出す手助けになります。渋野選手のような自然体な言動には、性差・年齢差を超えた人としての親しみと見習いたいという敬意を抱かせてくれます。この歳になって改めて“笑顔の大切さ”を教えてもらった気がします。

添付写真:今年の夏、湘南ドライブ時のレストランにて。

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【次回予告】テーマ:10年ぶりのアンチエイジングを取り上げます。(VOL.119)

Written by Yasumoto Takashi

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