VOL .61 [韓国撮影日記] 2011.06.15掲載

皆様、ちょっとご無沙汰してしまったこのプライベートコラムですが、ネタ探しに世界各地を歩いていました。というのは冗談として、今回はお隣の国「韓国」をテーマにお話したいと思います。

昨年の一月以来、通算五回目の韓国でのコマーシャル撮影に5月行ってきました。初めて韓国を訪れたのは七年前のことですが、その時から現在とを比べてみてもソウルの街並みはあまり変わっていない様に私には見えました。

当時、私の訪韓(ソウル)の第一印象は、一言で言いますと「埃(ほこり)っぽい」印象でした。その原因には、中国大陸から飛来する黄砂と車から出る大量の排気ガスなのです。ソウルの空は、いつもどんよりと曇り、青空が覗くのは週に数えるだけということ(現地コーディネーター談)。気候は緯度からしても、日本の新潟・福島あたりに位置しますが、冬は日本よりも冷え、夏はカラッとしています。木々の緑も針葉樹が目立ち、青々としている感じではありません。

金浦空港からソウル市内に向かう車から住宅地を眺めると、マンションの造りが日本とは少し違います。ベランダには窓が備え付けられており、部屋への埃防止と寒さ対策の構造なのでしょうか。

私は外国に行くと、いつもその国のクルマを眺めているのが好きで、韓国のクルマ事情にも大変興味があります。一見、日本よりクルマの量は多く感じられるのですが、車種を見てみると日本の方が圧倒的にバラエティーさがあります。日本にはTOYOTA・NISSAN・HONDAといった世界的自動車メーカーが存在するため、外国車との販売競争の結果そうなっているのかもしれません。また、高級車の量も日本のほうが圧倒的に多いのは、やはり韓国はまだまだ日本ほど上流階級層の占める人口割合が少ないのではないかと推察されます。また、韓国のクルマ登録台数の多さは、日本では必要な車庫証明がいらずに購入できるお国事情からか、街の中には路上駐車のクルマでいっぱいです。

さて、到着して30分もクルマを走らせれば、金浦空港からソウル市内に行ける便利さは特筆すべき点であります。また、日本の羽田と金浦を結ぶ航路は、韓国を九州旅行ぐらいの感覚にしてくれました。

到着した足で衣装合わせへと向かい、翌日からの撮影本番に備えます。メイク方法・髪型・髭・衣装の手直し等の段取りは日本とはあまり変わりませんが、本番に入ってからが日本とは少々違います。日本では、コンテという進行表通りに進みますが、韓国ではコンテがあってないようなものなのです。現場では監督・プロデューサー・スポンサーの意見が入り乱れ、あのカットもこのカットもと、どんどんカット数が増えていくのが当たり前です。韓国の方は、自己主張が日本人よりも強く、仕事ができる人は皆その傾向があるのだと毎回来るたびに感じます。出演者側からしてみれば、いいモノが出来るのであれば、とことん追求すればそれは結構なことなのですが、時折、単に自分の立場をアピールするだけに終始されると困ってしまいます。

私は日本人と韓国人の気質の違いにも、とても興味があります。同じアジア人であっても韓国の長い歴史を振り返ると、過去に侵略されたり、占領されたりしてきた戦いの中で培われたものがあり、近年では北朝鮮の脅威に危機感を抱いて生活している国民性は、日本人のような島国によって守られてきたものとはちょっと違う気がします。ハングリー精神の中にも情感豊かな人柄などは、いつも現地スタッフから感じ取れます。

最近では、冬ソナブームに始まり、K-POP旋風が吹き荒れる日本マーケット内の韓流パワーは、目覚ましい勢いがあり、今や全アジアを席巻しています。

日本は、ソフト分野で隣国とどう戦っていこうかと現在注目されていますが、韓流の手法が「短期決戦中央突破型」であれば、日本は「長期兵糧攻め型」のように長いスパンで官民一丸となって取り組んで頂きたいものです。切磋琢磨する両国関係が、将来アジアを牽引する力となることを心から願っています。 


添付写真:大好物の韓国名物鍋「サムゲタン」。毎日食べても飽きない、鶏丸々一羽の美容健康食。

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Written by Yasumoto Takashi

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