VOL.83 [ネクタイを解剖する] 2012.11.17掲載

今回は、スーツ姿をビシッ!とサポートしてくれるネクタイにフォーカス。スーツでいうVゾーンの重要性は、ますますデキるビジネスマン諸氏に認知されてきています。

例えれば、レストランのフルコース料理でいうオードブル的存在のネクタイは、メイン料理であるスーツを引き立てる重要な役割を担っているのです。きっと、ネクタイの事を知れば知るほど、今までの見方が変わり、コーディネートが面白くなること請け合いです。

そこで、ネクタイを解剖するが如く、「色」「柄」「素材」「結び方」といったカテゴリーに分けてみました。ネクタイには様々な選択や作法がありますので簡単にご紹介したいと思います。
 
【色】 色の心理的影響に関しましては、以前VOL.67 「色を操れば、洒落者への近道」2011.11.20掲載で細かくご紹介させて頂きましたので、ここでは控えさせて頂きます。 
 
【柄】 [ストライプ]・・・ストライプにも二種類あり、自分の右肩から斜めに流れる「ヨーロピアンストライプ」と、自分の左肩から斜めに流れる「アメリカンストライプ」があり、これをレジメンタルとも言います。柄の持つイメージは、シャープさを強調し、積極性やキビキビとした新鮮さがあります。
 
[ドット]・・・所謂、水玉模様のことで、ドットが小さいのを「ピンドット」、ドットが大きいのを「コインドット」と呼びます。柄の持つイメージは、上品さを演出でき、社交の場にも使えて汎用性が高いです。
 
[無地]・・・柄なし(ソリッドともいう)ということになります。その分、ネクタイの色が端的に自身の主張が表現され、相手に伝えたい印象をダイレクトに届けられます。シンプルなだけにスーツやシャツが派手目の時に使うのがいいです。
 
[小紋]・・・小さな図柄(紋)を均等に配列させたものであり、比較的どんなTPOにでも対応可能で使い勝手が良い柄です。
 
[チェック]・・・チェック柄には、タータン・アーガイル・グレン・ギンガム・マドラス・・・etcと様々な模様の呼称が存在します。伝統的な雰囲気が感じられ、素朴な人柄を表現できます。
 
[ペイズリー]・・・ペイズリー市というスコットランド地方からの由来名でありますが、元々はインド・カシミール地方発祥の植物柄なのです。一見、中近東を彷彿させる伝統模様ではありますが、優美で華麗さを演出するには適しています。 

[モチーフ・幾何学模様]・・・ある意味、何でも有りといった今まで紹介してきた柄を組み合わせたような模様です。色々な柄を組み合わせてつくられているので、締める位置や角度によって様々な見え方が楽しめます。

[ジャガード]・・・柄の話しというよりは、織り方の名称なのですが、とても洗練さを表現できる「大人のネクタイ」と言えるでしょう。
 
【素材】 一般的にはシルクが主流であります。上質なネクタイほどシワになりにくく、シワ戻りも早い。そして、崩れにくい。何といっても、締めた時の一瞬の感覚がすべてを物語ります。これは経験値でしか分かり得ない感覚なのかもしれません。 
 
【結び方】 ここでは名称だけをご紹介します。[プレーンノット][ウィンザーノット][セミウィンザーノット][ダブルノット]が大まかな結び方法です。ノットとは、英語の[Knot:結ぶ、結び目]という意味らしく、シャツの襟型によって結び方を決め、ボリュームバランスでVゾーンは構成されます。結び目にディンプル(えくぼ)を作るのが今の主流かと思います。

どうでしたか。ざっと大きなポイントだけを紹介してきましたが、ネクタイはその人の個性や魅力を一瞬に表してくれるアイコン的存在でもあるんです。スーツよりネクタイが悪目立ちしたらいけませんが、ネクタイ一本でスーツの悪さをカバーしてくれるケースもあります。ネクタイの知識を少し頭に入れておくだけでも、相手とのオシャレ・トークの幅も広がりそうです。

また、ネクタイコーデのコツは、Vゾーンのスーツ・ネクタイ・シャツの3アイテムで構成されるの中で、ネクタイ色がスーツかシャツの色に馴染む(拾う・親和性ともいう)ことが肝要かと思います。

最後にこんな言葉があります。

『ネクタイは、それを締めている人より一歩先に部屋に入ってくる。』  サー・ハーディ・エイミス(元服飾デザイナー、1968年「2001年宇宙の旅」の衣装を担当)

とても面白い表現だと思います。スーツ姿において、最初に目に飛び込んでくる印象表現を謳った、的を得ている核心の言葉ではないでしょうか。

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添付写真:普段はあまりネクタイを締めない私なのですが、クローゼットから引っ張り出してみました。

【次回予告】 テーマ:今回、ネクタイときましたから、次はシャツのお話をしたいと思います。(VOL.84)

Written by Yasumoto Takashi

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