VOL.99 [選ばれたらお返しという気持が大事] 2014.08.30掲載

thanking今回のテーマは「仕事」について、最近思うことがあります。自身50歳を少し過ぎ、ふと「あとどれぐらいまで仕事ができるだろうか?」と耽ることがあります。それは現在のモデルという職業を何歳まで続けるということではなく、大きな括りでの仕事観です。ゆえに、頂いた一つ一つの仕事を若い頃よりも丁寧に、きめ細やかくやってゆかなければと考えるようになりました。

16世紀イギリスに生まれた劇作家シェークスピアは、『人生は選択の連続である。』という名言はあまりにも有名です。

僕らは毎朝、目覚めた瞬間から頭の中で選択が始まり、起きて何を食べようか、何を飲もうか、テレビは何チャンネルにしようか、何時に出かけようかと、ごく当たり前の習慣と思っていることも、それは些細な選択の連続なのです。

朝がパン食なら某パンメーカーを選らび、野菜ジュースなら某飲料メーカーを選び、ニュースを見るなら某テレビ局を選らぶというように、何気なく選択している。しかし、選ぶということは選ばれるという存在もまたあるということなのです。

あなたの務める会社では何を作っていますか?きっとその製品、または、そのサービスを購入するユーザーが存在するはずです。もし公務員であるならば、何かしらのサービスを国民に提供しているはずなのです。

モデルの仕事もオーディションがあれば、何十人、何百人もの候補者の中から選ばれ仕事が依頼されます。たとえオーディションがなくとも、何人もの候補者の中から写真選考で選ばれ、仕事が依頼されてくるのです。仕事が入るたびに「僕でいいの?ほんとに大丈夫か?」と自問自答して、クライアントの期待に応えたいと常々思っています。実際、僕の代わりになるモデルさんは他にもいるのですからね。

仕事の職種によって「選ばれた」という実感の大小はあれど、人は選ばれることによって喜びは必ず伴うもの。自分一人でできる仕事は小さいものですが、選ばれた喜びを足場にして、相手にお返しという気持ちを忘れなければ、きっと1+1が3になり5になり、さらに大勢の人が力を合わせれば、きっと大きな仕事ができるようになります。単なる「足し算」として考えるのではなく、「掛け算」で物事を考えることが大切だとこの歳で思うようになりました。

また、たとえ小さな仕事でも一つ一つを大事に、かつ誠実に向き合えば、どこかで思いもよらぬ化学変化が起こるものです。それを忍耐強く期待している人の下には、きっと幸運の女神が訪れるのでしょう。

もうひとつ、仕事において人を感動させるということは、相手に期待された以上の仕事を成した時、必ず感動が生まれ、お互いに喜びが伴なうものと考えます。どうやら人は歳を重ねると共に「感謝」や「感動」といった感情に敏感になってゆく気がする、今日この頃です。

関連コラムの検索に便利 「プライベートコラム 目次」


添付写真:この夏、プチバカンスで行った長野・八ヶ岳にて。

【次回予告】 テーマ:「スタイルとスタンスの違い」を考察してみる。(VOL.100)

Written by Yasumoto Takashi

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>