VOL.108 [バカラ ロックグラスを選ぶ] 2015.02.22掲載

baccaratNHKの連続ドラマ「マッサン」で火が付き、巷のウイスキーブームは過去最高の盛り上がりを見せている。以前、VOL.106[生涯、本物を求めつづける]でも書きましたが、自身もしっかりブームに乗せられ、すかっりウイスキーの虜にされてしまいました。今回のコラムはウイスキーとは切っても切れないグラスのお話、「バカラ:Baccarat」についてです。

ウイスキーをロックで飲むことが多いので、最近グラスにも気になり始めてしまった。我が家で使われているバカラのロックグラスは、現時点では三つ(カプリ&モナコ&シュノンソー)あり、すべて頂き物。そこで自分の拘りを基に、ひとつ購入してみることにしたのです。ネットで色々なバカラ写真を見たり、バカラショップへも足を運び、実際にグラスを手にしてみて持った時の手に伝わる感触や重量感、輝き具合も確かめてみた。そして選ばれしマイベスト・バカラ・ロックグラスは『マッセナ』(※)だったのです。

グラスを横から見ると長短五本の剣が並べてあるかような鋭利なカッティングが男性的。全体のフォルムは女性が持つ優美なクビレを連想させグラマラス。中性的な印象を持つマッセナであり、とても気に入った所でもあります。だが、最大の決め手となったのは、空のグラスを真上から覗いた時のクリスタルの輝きが、大輪の花を咲かせている向日葵のようで、他を圧倒していたところかもしれません。これで我が家のロックグラスに最強の助っ人が加わり、晩酌タイムにグラスを選ぶ楽しみがひとつ増えました。

そして、マッセナ・グラスには丸氷が似合うのではないのかと、ふと思いつき、丸氷製氷機も通販で入手することに。氷の大きさもちょうどよかったので、ひと安心(笑)。

ウイスキーを飲むにあたってはBGMも欠かせない。やはりウイスキーにはジャズが似合うと思う。自宅ではBill Evansを聴くことが一番多いかもしれない。音楽を聴きながらグラスを傾けるリラックスタイムは、至福の時間とまでは言わなくとも、僕にはオフタイムのスイッチになっている。さてと、今宵はどの銘柄を飲むとしようか悩むのも楽しみのひとつなのです。

最近お気に入りのウイスキーは、現在サントリーウエルネスの仕事をしていることもあって、依怙贔屓ではあるがシングルモルト山崎12年と白州12年が我が家での定番酒となっている。山崎が男性なら白州は女性といったところで、この二銘柄の対比バランスも気に入っているところ。その日にいいことがあれば祝杯を込めて山崎、少し疲れて癒されたい時などには白州、そんな感覚でどちらかを選ぶこともある。また、白州をハイボールにして飲むことも増えてきた。

最後に「アール・ド・ヴィーヴル:Art de Vivre」という言葉はご存知でしょうか。簡単に言ったら、「芸術(アート)を取り入れた生活=生活美学」。つまり、衣食住に纏わる生活全般に芸術を愉しむ感覚をつなげ、変わりない日常の中に己を輝かす数々の発見を見出しながら、感性磨きの糧としてゆくことであります。故にバカラグラスは何気ない日常に彩りを与えてくれます。バカラの輝きは、使う者との心の響き合いでもって存在理由が発揮され、グラスだけが輝いてもバカラの本懐は達せられないのかもしれません。ここの真髄は以前VOL .60 [ブランドの使命とは何か]の中でもお話しましたが、ブランドは人を育て共に成長することを望んでおります。

バカラの歴史はフランス発祥で創業250年のクリスタルメーカー。その重みと輝きにあやかり、これから末永く愛用してゆこうと思っています。それでは今宵もウイスキーで乾杯!!


※マッセナの名称由来は、ナポレオン1世に「勝利の女神の申し子」と称された、フランスの陸軍元帥の名がつけられている。1980年に発表され、以来、世界的なベストセラーとなり、マッセナ風といった亜流も数多く他社から作られている。

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添付写真:バカラ ロックグラス「マッセナ」とサントリー山崎12年&白州12年。(自宅のキッチンにて)

【次回予告】 テーマ:生き難い世の中になりました。プライドと見栄の違いとは(VOL.109)

Written by Yasumoto Takashi

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