VOL.116 [突然、時計が欲しくなってシマッタ!] 2017.03.31掲載

watches先日、とある撮影現場で僕より20歳も若いモデルさんと一緒になることがあり、彼の腕にはゼニスのシンプルな文字盤の腕時計がはめられていた。僕はすかさずその時計を見て、「渋い時計をしているね~」と突っ込んだのだ(笑)。いい時計をしている人は、大概何かしらのポリシーや、独自の拘りを持ってその時計を選ぶものであって、その辺を聞きたかったのだ。

彼がゼニスを選ぶにあたって、事務所のマネージャーと色々と相談したという。オーディションに行った時にクライアントの面接者は、とりあえず呼んだモデルが身につけている物をチェックすると言うのだ。時計を身に付けて行った場合、スウォッチやGショック系は論外と踏まえ、かといって派手なカラーリングの文字盤の時計も避けたほうがいいのではと考え、ゼニスに至ったというのだ。とても堅実な考え方で、自分の売り方をしっかり持っている今では珍しいモデルさんという感想を僕は持った。

話はさらに進み、現在は懐事情が宜しいのか、二個目の高級時計を考えているらしい。次に狙うのは、誰もが一つは手元に置いておきたいロレックスだ。実際、ロレックスは年々価格が上がり続け、人気は不動のものとなっている。いい時計を一つ持つと、やはり次はそこに至るものかと思ったりした。

若いモデルさんと一緒になってから数週間後、今度はロレックスを腕にしているカメラマンさんに撮影で出くわした。僕はその時計を見てすかさず「お~珍しいカラーリングのロレックスですね~」と話題を振ったのだ(笑)。確かに今まで見たこともないブルーグラデーションのダイバーズタイプのものであった。なんでもその時計は一年ぐらい前に購入したものでとても人気があり、正規ロレックス店では品切状態が続き、たまたま信頼のおける時計店にストックがあった為、そちらで購入したというのだが、価格が正規の20万円高いプレミアム価格であったらしい。

さらに、ロレックスの前は何を身につけていたのかを聞いてみたら、意外や意外、Gショックをずっとしていたらしいのだ。G⇒Rへは100倍もする高価な代物、相当気に入ったものであったのではないかと推察される。昔から思っていたことだが、カメラマンさんにはメカ好きで博学者が多く、ロレックス派も多いというのは僕の経験値から言えることだ。

立て続けに撮影現場で時計の話をしてからというもの、僕にも時計に対する物欲が芽生えてしまったのだ。俗に言う見たもの乞食かな(笑)。しかし、お二人のような高級時計には手を出す気にはなれず、すでに一生モノと思って清水の舞台から飛び降りて買った時計が一つある(笑)。なので、コスパの高い時計を探してみたところ、あったあった!狙い目は、SEIKOの海外向け時計に行きついたのだった。

SEIKOの海外向け時計には3万円以下で買えるものの中に、自動巻きのシースルーバックのものが僕の目に止まったのだ。文字盤のデザインも高級時計に引けを取らない趣き感が漂っている。なんてったって気兼ねなくガシガシ使えるのが一番の魅力。ソーシャル以外で近所のジムやスポーツ、レジャー用にと用途は限られてしまうが、なかなかのものです。

結局、いつものように「腕時計とは何ぞや!」と考えてみたら、スマートホン等の普及により現在時刻を知るという概念が薄れてきている時代を踏まえつつ、時には所有者のスタイルやステイタスを代弁してくれる物であり、身につけることで生活にワクワクさを吹き込むアクセサリーであるというのが本質だと思う。時計の金額の多寡に関わらず、本人が身につけることで心持ちかテンションが上がり、さりげなく自己を鼓舞してくれるような、そんな程良いスタンスで付き合うことが、なんとも気持ち良くベストな関係なんでしょう。そおいう意味では、複数個を持ち、その時折のシーンや気分で自己演出する一つの道具と成り得る素敵な相棒なのです。

添付写真:右上「SEIKO 5 SPORTS SNZH53J1」右下「SEIKO 5 SPORTS SNZH60K1」左中「SEIKO SUPERIOR SSA003J1」どれも元々はステンレスベルトの装着で購入しましたが、カジュアル感を出すために、すべてベルト交換しました。ベルトを替えるだけで、ステンレスベルトのビジネス寄りの雰囲気からガラッと変わります。

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Written by Yasumoto Takashi

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