VOL.71 [”纏う”ように装う] 2012.03.26掲載

今回のテーマは、桜の開花を目前に控え、春の訪れを感じるような軽やかな着こなし術の提案です。それは”纏う(まとう)”という感覚を随所に取り入れてみるという提案です。

通常”纏う”と言ったら「洋服」や「香り」に使われる言葉を連想します。辞書で意味を調べてみると「巻きつけるように着る」「からみつくように身に付ける」などとあります。これをもう少し意味合いの幅を広げてみてはどうでしょうか?ということです。例えば、

「スーツやJKには、ポケットチーフを差してみる」

「カジュアルシャツの襟を少し立ててみる」

「シャツの袖先をほんの少し折り曲げてみる」

「スプリングコートは、ボタンやチャックを閉めずに前開けで着てみる」

「サマーセーターを肩や腰に巻いてみる」

「スカーフやストールをきっちりと巻き付けないでおく」

「カジュアルパンツやデニムの裾を折り返してみる」

「ネクタイの小剣をループに納めないでおく」

「ベストのボタンはひとつだけで止める」

「帽子を斜めに被ってみる」

「サングラスを頭にアクセサリーとして掛けてみる」

「素足でスニーカーを履いてみる」
 などなど。

こおいった着こなし術は、一見ルーズや未完成に思われるのですが、着ている本人が意図的にすることによって”熟し(こなし)感”に変化していくのです。俗にいう「あの人、服の着方がこなれているね!」がピッタリの表現なのでしょうか。また、違う表現では「抜け感」とか「脱力感」という人もいます。

そおいった工夫を織り交ぜることで、洋服の着こなしや素材の組み合わせ、色合わせに様々なアイデアが生まれてくるのですね。

しかし、男性があまり”纏う”といった熟し(こなし)テクニックを多用し過ぎるとTPOに相応しくなかったり、女性っぽくなる場合もありますので、その辺りのさじ加減も大事ですね。

これらの着こなしテクニックは、撮影の仕事でプロのスタイリストさんが得意とするものなので直に見ているのですが、いざ自分のプライベート服となるとついつい忘れがちになってしまいます(笑)。 

そう言えば、ある撮影現場で女性スタイリストさんと”纏う”についてお話をしていたら、「最高の纏い」とは、愛する人(夫)に後ろからギュッと抱きしめられることって仰っていました。僕はその言葉に妙に納得したのを思い出します。「纏う」には「包み込む」という意味合いもあるんですね!

今の季節、三寒四温が続く今日この頃ですが、皆様お体には十分ご自愛下さいませ<(_ _)>


添付写真:ぽかぽか陽気に誘われて、ランチに出かけた時の写真です。オープンカフェでの”まったり時間”が何とも気持ちがいい。普段着でしたが、ストールを巻いてひと工夫してみました。

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Written by Yasumoto Takashi

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