VOL .31 [レザー帽子は大人の特権] 2010.09.18掲載

季節が涼しくなりだすと、街のファッショニスタたちは、今年の秋冬ファッション計画が頭に浮かんでくるのではないでしょうか。何を着ようか、何を履こうか、色々と想い巡らすのは待ち遠しくて楽しいものです。

今回は、VOL.22に続いて秋冬用の帽子の話をしたいと思います。

それにしても、今年の夏は記録的猛暑も手伝ってか、カラフルなパナマ帽がたくさん登場して、若い人からお年寄りまでみんなが被り大流行でした。私もオシャレな人が街に増えて嬉しい限りです。帽子には、被る人をオシャレに見せるランクアップアイテムとして、世間で定着してきた感じがします。

夏に被ったパナマ帽子は、帽子専用の丸い箱(帽子屋さんで2000円位で買えます)に保管して、来シーズンまで大事にとって置きましょう。夏用の帽子もひとつの風物詩として、少しずつ集めていくのもいいものです。

今年の秋冬の帽子トレンドは、毎年増え続け定番化しているハンチング帽やキャスケット帽だと思いますが、ウール素材の中折れハットもかなり流行ると思われます。ジョニー・ディップ風スタイルが、今年も更に浸透すると見ています。また、伊達メガネと帽子をセットで被る人が増えてきて、オシャレ度が年々上がっているのが伺えます。

さて、私にとって秋冬の帽子と言えば、やはりレザー帽子なのです。レザー帽子が似合う代表選手を挙げるとしたら、歌手のマドンナでしょうか(女性だろ!)。グラマラスであり、ちょっぴりハードな一面を覗かせながらトレンドをしっかりキャッチしている、性別を越えた世界のファッションリーダー的存在です。男性では、なかなか思い浮かびませんでした(スイマセン)。被ってもらいたい人であれば、俳優のジュード・ローや役所広司さんなどは、とても似合いそうです。

レザー帽子には、若い人にはそう簡単に似合わせない壁というか、人生を着実に積み重ねてきた人にだけに許される「特権」みたいなものを感じます。そして、その人の歴史が刻まれた顔のシワや髭がよく似合います。男らしさを表す気骨といった雰囲気を魅せてくれる大人のアイテムであり、使い込むほどに味わいを深め、長く愛用できるものとして、独特の風合いがなんともいいです。

そこで、レザー帽子が似合うポイントを紹介することにしましょう。一番大事なことは、「気合です!」。ハーと思うでしょうが、別にふざけてませんよ。レザー帽子には見えない大人の壁のようなものがあるので、自分のものにするには、暴れ馬を操るが如く、気合にも似た覚悟が必要なのです。それがなければ、帽子だけが浮いて見えてしまいます。似合う似合わないの前に、気持ちが大事と申しておきましょう。

また被る時は、洋服のコーディネイトもトータルで考えなければなりません。帽子のインパクトが強い分、洋服もつくり込みたくなる気持ちをやや抑えて、シンプルなコーディネートにするのがスマートだと思います。全体的にハードで強い印象のレザー帽子を、いかにカッコよく魅せれるかがキモです。ちょっとハードな大人な気分の時や、どこかにアクセントを持ってきたいコーディネイトには、パンチアイテムとして活躍すると思います。

オシャレとは、実験のようなもので、自分にはちょっと難しいと思っているアイテムも、いざ身に付けてみると以外に評判がいいということがよくあります。

皆さんも今年の秋冬は、大人のレザー帽子にチャレンジしてみてはどうでしょうか。きっと、オシャレ度アップ間違いなしですよ。


添付写真: 愛用のレザー帽子コレクションの一部です。モデル撮影の合間に、スタジオに持ち込んで撮ってしまいました。

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Written by Yasumoto Takashi

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