VOL .53 [ベストを着こなす] 2011.03.22掲載

東日本大震災が発生してから、新コラム掲載がちょっと空いてしまいましたが、私はめげませんよ!日本が元気を取り戻すには、私達ひとりひとりが頑張らなくては始まりません。春はすぐそこまで来ています。前を向いて少しづつ歩いていきましょうよ。

さて、これからの春の季節には、コートを脱ぎ捨ててジャケット一枚で一日を過ごすポカポカ陽気もあります。

昨年の秋頃から海外トレンドでは、ブレイクの兆しをみせているファッションアイテムにベスト(ジレとも言う)がありました。そこで今回のテーマは、この時期は特に重宝する「ベスト」を取り上げてみました。

今やベストと言っても色々な種類があり、代表的なものに[オッドベスト][ミリタリーベスト][フィッシングベスト][ウエスタン調ベスト][バイカーベスト][ワークベスト]等まだまだありそうですが、かなりの種類のベストが市場で売られています。

実はベストというものは、一年を通して使えるものなのですが、ファッショニスタの間では上級者アイテムとして、なかなか扱いにくいコーディネイト術を必要とされるので敬遠されがちでした。では、なぜそう思われるのか簡単に分析してみましょう。

一つ目に、体型が細身でなければあまり似合わない点があげられます。逆に、細すぎて体型の補正に使う手もありますが、そんなシルエットの効用を利用して、ぽっちゃり体型の方には、体型をスリムに見せることもできます。

二つ目に、全体のコーディネートのトーンを、COOL&SHARPに魅せる演出があり、ミュージシャンやアーティストがオッドベストを着ているイメージが強くあります。甘くなりすぎないテイスト感を出せます。

三つ目に、トラッドスタイルのスリーピースからの流れで、正装したスタイルをちょっと崩したコーディネイトとして使われます。テイラード生地やツイード生地のベストには、そんな英国紳士風やアメリカン・トラディッショナルといった真面目な一面も演出できるものもあります、最近ではそのようなものをエディターズベストと呼ぶようです。

最後に、レザーベストに代表されるウエスタン調ベストやバイカーベストは、ワイルド風に演出したいときに使えますが、一歩間違えば重く浮いてしまう危険性があるベストです。ベストの歴史を辿ってみれば、トラディショナル⇒ウエスタン⇒バイカーといった室内着からアウターへ、デザインには機能性や耐久性といった流れで誕生していったものであり、レザーベストには体を守るといった実用的なコンセプトが根底にあったようです。

こういった分析のもと、ベストは扱いにくいというファッションアイテムなのですが、逆手にとって考えれば、低価格のアイテムなのにオシャレ感を演出でき、コーディネイトの振り幅の大きい万能アイテムと言えそうです。

ベストを使ったコーディネートは、全体的に若く見られますから、若づくりに見られないように注意しましょう。今までベストをちょっと敬遠していた方は、この春も流行しそうなアイテムですので、試してみてはいかがでしょうか。  


添付写真:ベストは、表地がハリスツイードを使っている「mean」のもの

[コーディネイト紹介]上からベレー帽:RALPH LAUREN / サングラス:TOM FORD / シャツ:Levi’s / バンダナ:RALPH LAUREN / バンダナリング:CAPITAL / ベスト:mean / ベルト:RALPH LAUREN / デニム:TRUE RELIGION / シューズ:PRADA 

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Written by Yasumoto Takashi

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