VOL .54 [男のヒゲが語るものとは] 2011.03.30掲載

今回は、男らしさの象徴でもある「髭:ヒゲ」について語ってみようと思います。また、ここではヒゲの種類(タイプ)や手入れ方法などは遠慮して、「社会におけるヒゲの考察」として試みることにしました。

ひと昔前の日本であれば、特に若い人がビジネスシーンで、ヒゲを生やすのを見ると一般的にあまりいい印象を持たれませんでした。それが時代や世代が変わると共に、今度は逆にオシャレと見られたり、個性の自己主張と取られたりして、人の見方も変化するものです。そこにはヒゲが持つ各国の民族性や文化が入り交じり、インターネットやTV、映画などの影響もあるようです。

では、その国の文化や風習などは抜きにしまして、人がヒゲを生やす動機は、実年齢より幼く見られたり、頼りなく見られてしまわぬようにといった狙いがあります。また、好きな芸能人や著名人、スポーツ選手たちを真似てみたり、人と違う個性を演出したりと諸氏様々のようです。今では、ヒゲが似合うことが自信となり、信頼感や責任感の強さの象徴とまで言われるようになりました。

また、一般的に「無精ヒゲ」と「デザインヒゲ」とは全く違うものであり、そこには意図的に生やすという意思が見えます。しかし、世間ではまだまだ区別がつかないようで、一括(ひとくく)りにされるもどかしさが私にはあります。ヒゲには、先述した自己主張的なシンボルが現代では色濃くあり、ヒゲを“男のステイタス”や“男の色気”として生やしてる方が自身を含め多いようです。

ここでヒゲを生やすことによってのメリットについて考えてみました。

一つには、ヒゲのボリュームによって顔に立体感が生まれ、どことなく西洋人っぽい雰囲気を作れます。また、生やす場所によって顔の輪郭や印象が変わります。

二つ目に、男のヒゲにはワイルドさと知性をミックスさせた、アンニュイでエレガントさを醸し出させます。学者や教授といった職業にヒゲを生やす人が多いのは、知性の象徴と捉えているのが見受けられます。

三つ目に、オシャレ術のアイテムとして、人にはマネできない自分ならではのアピールを、個性主張の武器と考えているのです。ファッション業界や広告業界の人たちは、ヒゲをブランディングツールとして置いているのでしょう。

最後に、自己暗示をかける意味で、験(げん)を担ぐ人や、縁起を担ぐといった古来からの風習やおまじないのように捉える人もいることは確かです。

結局、ヒゲは顔の一部であり、生えない人・薄い人・濃い人と十人十色です。せっかく男性に生まれて、ヒゲが生える顔であればヒゲを前向きに楽しんで捉えたほうが、私は得策だと思います。その上でヒゲを生やす一番心得なければならないことは「清潔に見えるヒゲ」です。ここを外すと大変なことになりかねません。

ヒゲと付き合う生活は、いつもと違う自分を見つけられて、なかなか面白いものですよ。周りの人は、あなたがヒゲを生やしたからといって、決して卑下(ひげ)はしませんから(笑)。


添付写真:雑誌の撮影時に撮ったもの。このヒゲは自分演出で、何かのプロフェッサー的雰囲気をイメージしてみました。

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Written by Yasumoto Takashi

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