VOL.111 [品とは何か] 2015.10.02掲載

appearance-2少し前のことになりますが、メンズファッション誌「LEON」の10月号(2015年)を行きつけの美容室でペラペラめくっていたら、唐突に「品」について論じているページにぶつかったのです。まずはそのページの文章をご紹介しようと思います。

『品とは愛情と敬意の副産物である』

どうにも品がない。
政治にも、経済にも、教育にも、笑いさえも。

品とは、その人なりの存在感に貫禄があり、
優雅で洗練されたサマを指すとされている。
だから得てして高貴なものと捉えられがちだ。

ただ我々はそれが
人やモノに対する愛情から
文化や自然に対する敬意から
滲み出てくるものだと信じている。
貫禄も優雅さも洗練も
所詮は後から付いてくるものと割り切っている。

LEONは品行方正な雑誌ではない。
優等生になりましょうなどと言う気はそもそもない。
聖人君子を気取って、講釈たれる気も毛頭ない。
気取ってばかりいるよりも、「バカね」と
言われるくらいが心地よい。
そのうえで、自分たちの信じる“品”は失いたくない。
愛情と敬意を忘れ、経済至上と体裁至上が
社会の大勢というならば
我々はこれからも堂々と
「ちょい不良ですみません」と笑う少数でいようと思う。

「LEON」2015.10月号より



LEONという雑誌自体は「ちょい不良」を旨とし、大勢に逆行することや敢えてマイノリティー的な居心地を良しとする男の生き方が、いかにもカッコイイと謳う。また、誰もが喜びそうな標準的なファッションスタイルを忌み嫌い、ちょいハズすテクニックをキモとして紙面を埋め尽くしている。上文章の一部には自らを「品行方正な雑誌ではない」とあったが、品と品行方正は同一のものであり、論理矛盾を感じる部分もある。だが、横並びを避けたがる私自身の性格に共感する部分も多いので、時々は読ませてもらっています。

また一方では、確かに、品とは人やモノに対する愛情や文化や自然に対する敬意といった感受性豊かな人間力から滲み出てくるものなのかもしれない。

だが、待てよ。そんな抽象的な言葉では分からんぞ!とも思うのです。私なりの具体的な「品」の形成過程を沈思黙考した結果、どうやら「配慮」というキーワードから生まれるものではないかと、自身の考えが辿り着いたのであります。いかに周りに配慮したり、気遣いができるかが「品」の生まれる源泉ではないかと。

「配慮する」という言葉を形容詞として付けてみたら分かり易くなり、すべてが「品ある存在」「品ある行為」に繋がるのではないかと思うのです。

品とは、周囲に配慮した仕草である ⇔ 不快な振る舞い

品とは、相手に配慮した服装術である(衣) ⇔ TPOをわきまえない服装

品とは、同席した方に配慮した食事の仕方である(食) ⇔ 音を立てたり大声で食事をする

品とは、隣人に配慮した住空間で暮らすことである(住) ⇔ 夜中、大音量で音楽を聴いたり騒いだりして、隣近所に迷惑をかける行為

品とは、電車やバスでお年寄りや体の不自由な方に配慮して席を譲るものである ⇔ 我知らんとばかりにシルバーシートに堂々と座り続ける行為

品とは、大自然に配慮した遊び方をするものである ⇔ 自然を汚してそのまま立ち去る行為


品とはマナーに通ずるものでもありますが、周りに配慮する行為そのものが、その場の空気をも品あるものに変えてしまう。その積み重ねが本人の身に染みついていくということなのかもしれません。しかし、自分では配慮しているつもりでいても、対相手によってはまだまだ配慮が至らない事も多々あるかもしれない。そのような思いを心の何処かに常に持っていることも、大切なポイントであるのかもしれません。

今から5年以上も前に「男の品格」についてお話したコラムもありますので、よかったら併せてお読み下さい。
VOL .05 [男の品格って何] 2010.03.25掲載

関連コラムの検索に便利 
「プライベートコラム 目次」

添付写真:「LEON」2015.10月号表紙より

【次回予告】 テーマ:本当の美を求めるとは(VOL.112)

Written by Yasumoto Takashi

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