VOL .49 [大人ショルダーは小ぶりが粋] 2011.01.27掲載

今年に入って三回のプライベートコラムでは、観念論的なテーマを論じていましたので、ここらでひとつ軽いテーマでいきたいと考えました。

バックのお話は、過去に三回ほど取り上げています。セカンドバック・トートバッグ・キャリーケースに次ぎ、今回は『大人のショルダーバック』です。

最近、ファッション雑誌や、身近のモデル仲間に、よく目にする日本発信の元気なバックブランドがあります。それは『aniary』『genten』であります。価格も抑え気味に設定されており、以前から、これは人気が出るのではと注目していたのですが、ここにきて雑誌でよく取上げられております。この2ブランドのショルダーバックを見ても、やはり小ぶりの革ショルダーバック(コンパクトショルダー)が数多くラインナップされているようです。(※2011.1.27時点のこと)

ここで、なぜ小ぶりの大きさが良いのかと言いますと、①全体の洋服のコーディネイトを邪魔しないスマートさ ②財布・携帯電話・手帳・キーケース・サングラスが入ってちょうどいいジャストサイズ感 ③たすき掛けにして背中に回せば、後姿に存在感が出る等、小ぶりなサイズは何かと重宝して、大人の品格も忘れずに、しっかりとオシャレ感も主張できます。

私は、季節が暖かくなり軽装になると、セカンドバックからショルダーバックに切り替えます(理由は、コラムVOL.07を参考に)。ショルダーバッグはたすき掛けで、背中に回して使うことが多いですね。ショルダーバックの最大の利点は、やはり両手が自由に使え、自転車やバイク、ケイタイ操作にも活動的に便利です。

素材は、やはり大人を決め込むのなら、革がいいでしょう。革は、使うごとに柔らかくなり、味が出てきます。日焼けして変色してくる感じも、それはまたそれで年季として楽しんでおります。革素材に代わって、帆布素材やナイロン素材もありますが、やはり、いつも目が行ってしまうのが柔らかい革です。革素材に拘るところに、“大人の粋”というものが滲み出ます。

今回は、小ぶりの大きさに拘ったショルダーバックを取り上げました。その中でも、何より注視すべき点としましては、これまでにあまりなかった日本発の良質な革を中心に使ったバックメーカーが、着々と成長していることにあると考えます。

今までは、若者中心に吉田カバン(ポーター)が、業界を席巻していた感がありましたが、この2ブランド(aniaryとgenten)が、これからの日本のレザーバックメーカーの中軸となって業界を引っ張り、世界ブランドへと成長していくことを楽しんで見守りたいと思います。デザイン・素材が良くて、手作り感たっぷりで、価格も抑えられれば、発展しない訳ありませんよね(笑)。

これからもモデル安本卓史は、日本人プロデュースや日本人デザインのものを、陰ながら応援してゆきたいと思っております。日本独自の丹念なものづくりである「伝統」と新しいデザインを生み出す「革新」が、次世代の飛躍キーワードでもあります。ファッションブランドの使命は、使い手の感性を呼び覚ますものであると、私は常々思っております。
 

添付写真:数ある私物の革ショルダーバックの中でも、小ぶりなものをピックアップ(左上:銀座銀盛堂で見つけたタートル型/右上:genten/下:ビームス・オリジナル)

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【次号予告】 テーマ:祝・50回記念!感謝・感激の記念号です。モデル安本卓史が、モデル界の未来を探ってみる(VOL.50)

Written by Yasumoto Takashi

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