今回は前号のファストファッションに関連して、メガネ界の二大ファストブランドであるZoffとjinsのメガネを比較検証しながら、メガネ業界の今後を探ってみたいと思います。
実は最近のことなんですが、視力低下が進んだわけでもないのに老眼鏡をZoffとjinsとで二つ誂えてみたのです。
キッカケは仕事帰りに自宅の最寄駅近くにあるZoffショップになんとなく立ち寄ってみたところ、Zoff CLASSICシリーズに思わず釘づけにされてしまったことが、そもそもの始まりなんです。
「こ、これ、ほんとにレンズ代込みで9450円なんですか?」と、思わず店員さんに声を掛けてしまったグッドデザイン・グッドプライス。選んだのは僕好みのサーモントタイプ。メタル部分が渋いゴールドカラーにアセテート(プラスチックともいう)部分が黒といった大人モードの仕様にしました。だが、どのカラーリングもファッション性が高く、選ぶのに迷うぐらいの完成度。メガネが出来上がるまで、ほんの約30分といったスピード仕上げにも驚かされました。
Zoffメガネに味を占めたわけではないのだが、時を同じくして今度はライバルメーカーであるjinsのCLASSICシリーズを雑誌広告で見かけ、ネット検索してみたところ、なんとこちらも凄い商品が発売展開されているのではないか。選んだのは先に購入したZoffに似たサーモントタイプ。テンプル部分がゴールドカラーで、アセテート部分をイエローデミ柄にしてみました。こちらもシリーズバリエーションが豊富で、なかなか他メーカーにはないカラーリング設定。価格はZoffより500円(Tax抜き)ほど高いが、どちらも10000円を切るグッドプライスに驚きを隠せません。jinsメガネも老眼鏡仕様でのレンズにしてみることにしました。このような必要以上の複数買いは、メガネコレクターのサガ(性)からくるメガネ探究の一端なのかもしれませんね(笑)。
この二本を比較検証してみるに、デザイン性に関しては個人的な好みが入るので、どちらが好きという判定は控えさせてもらいますが、どちらも洗練されていて甲乙つけがたいものがあります。
素材に関しては、jinsメガネのテンプル部分には「チタン」が、フロントのアセテート部分には「マツケリー社の生地」が採用されている。これだけ聞いたら高級ブランドメガネに引けを取らないほどの高素材の組み合わせ。(マツケリー社とは、生地メーカーの世界トップブランド)
片や、Zoffメガネの素材に関しては、テンプル部分にチタンを採用しているモデルもあるのだが、僕が選んだものにはステンレスが使われている。フロントのアセテート部分には特に明記はない。レンズは共に日本メーカーとのこと。
やはり、素材での軍配は、この二本に限ればjinsメガネが上なのか。とは言いつつ、今のファストブランドメガネのコストパフォーマンスの高さには驚嘆に値するレベルであり、会社の業績が鰻登りの理由も納得のゆくところ。この二社におけるデザイン性の向上というか、スタンダードな商品群に遊びカラーや強い個性的デザインをラインナップできうるのも、製造小売方式(SPA)ならではの技なのかと思います。
さて、これからのメガネ業界の行方を探ってみれば、これまで以上に機能性メガネの細分化は進み、日常使い用・紫外線対策用・PC用・スポーツ用・花粉用・オシャレ用(伊達用)と一人で何個ものメガネを持つということが浸透してゆくことは確かでしょう。
また、ファストメガネブランドの「安かろう、悪かろう」といったイメージを持っているブランド志向の富裕層(特に中高年齢層に多い)をどう取り込むかが頭を悩ますところ。それには、「いいデザイン・いい素材・いい掛け心地・いいサービス」を追求するのが本道ではありますが、それと同時にイメージ戦略も大事なんでしょう。業界売り上げNO.1である眼鏡市場のCMでは、今月(2013.12~)からON AIRされたハリウッド映画にも出演する俳優・渡辺謙氏が起用されているイメージアップ広告はドンピシャな感じです。
ファストメガネブランド以外に関しては、どれだけ自社ブランドに付加価値を提案でき、ファストブランドにない痒いところに手が届くといったカスタムサービスや、価格に見合うラグジュアリー感、メガネは顔の一部であって一部ではない、所謂、ひとつの自己表現ギアとしての確立がキーワードの気がします。
最後に、人は誰もがいつかは視力が落ち、視力矯正法に頼るもの。発症からずっとお付き合いが続きます。そこでメガネ・コンタクト・レーシックと様々な処置法がありますが、やはり、メガネの存在意義は大きいと思います。個人のライフスタイルの中にメガネをどれだけ提案することができ、満足させるかが重要なんでしょう。
[メガネ関連コラム]
*メガネコラム① VOL .20 [安本流メガネ選びの極意](2010.07.04掲載)
*メガネコラム② VOL .63 [メガネの未来](2011.08.08掲載)←メガネっぽい日
*メガネコラム③ VOL .78 [メガネエイジレス](2012.07.19掲載)
*メガネコラム④ VOL .80 [ヴィンテージメガネを考察](2012.09.21掲載)
*メガネコラム⑤ VOL.91 [コレクターのサガ](2013.6.30掲載)
*メガネコラム⑦ VOL.102 [メガネで損をしている人の特徴 勝手にランキング](2014.10.12掲載)
*『メガネ選びのすすめ』
*お洒落眼鏡人のコーナー『 眼鏡素敵人(めがねすてきびと)』
*世界的著名人のお洒落眼鏡人のコーナー『 勝手に「眼鏡採集家」』
*ブランド別に分けて考察してみました。『 お気に入りのメガネブランドを考察 』
添付写真: 上がZoff CLASSICシリーズ ZP31005B-1 下がjins CLASSICシリーズ CCF-13A-234
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